新年明けましておめでとうございます。湯尾大祐です。
年末から年明けにかけてのデータ分析の結果、及び先生との相談をさせていただいて
大まかに2つの課題が目の前に提示されました。
ひとつは、概念を定量分析するための変数の尺度を変えて測り直すこと。
もうひとつは、その結果をもとにアウトラインを作り始めることでした。
私たちは、「キャリア連帯」という概念の実情がどうなっているのかを、映画産業におけるキープレイヤーである監督とプロデューサーを分析単位として、実証することが私たちの研究目的である捉え、研究の方向性を微調整しました。
そこで、先行研究で言われている測り方でキャリア連帯の変数を構築しようと考えたのですが、そこに私たちの研究ならではの問題点が現れました。それは、対象となる監督・プロデューサーのキャリアを考慮して分析するとなると、先行研究での測り方には自ずと限界が表出されるということです。
その限界とは、キャリア連帯の重要な要素である「経験量」を考慮して分析することができないということです。
厳密な定義は以前の記事で説明したので省きますが、キャリア連帯とは、あるプロデューサーが特定の監督と「私はあなたとキャリアを共に歩んでいきます」といったある種の契約を暗黙に結ぶようなことです。そのお互いの忠義の契約をもとに、信頼を醸成させ、価値観を擦り合わせたりしながら、創造性を高めていくことになります。
そこには2年、3年といった短期スパンではなく長期的な関係をもとにお互いのキャリアを共に歩んでいく前提があります。
そこで我らが分析のサンプルを鑑みたときには、そのような短期的な、キャリアが含まれています。それはそれで厳密に言うと問題なのですが私たちは「日本映画産業の全体として、キャリア連帯の重要性を実証する」という研究目的なので、そのサンプルにそったキャリア連帯を測る指標を自分たちで構築し、分析しました。
その結果は、「大成功」でした。
詳しくは私たちの論文を見てください!ほとんどが統計的優位のお墨付きをいただきました。
さて、これからはこの分析結果をもとにアウトラインを作成し始めます。
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