2011年9月9日金曜日

データベース構築

暑かった夏も終わりに近づいていますね。
すると、スポーツの、食欲の、芸術の、そして読書のですね。
虫の音と共に、床についています。

どうも、湯尾大祐です。

前回の夏合宿でOB/OGから、個別事例を探っていくようアドバイスをいただいたのですが、事例をみるにしても何に注目して、読んでいったらいいのか分かりませんでした。そこで、班のメンバーと相談して、データを構築して少しでも特徴を洗い出してから、文献を読んだ方が効果的だという意見になりました。なので、事例は探しつつも、まずは前回の夏合宿で院生の方から頂いたアドバイスを参考に、データベースの構築に取り組むことにしました。

最初の記事でも記載しましたが、私たちは、原作発売・発行から、その原作が映画化されるまでに、異なる種類の媒体をたどって映画化されるまでの過程を「コンテンツ変換」と名付け、その過程をひとつひとつ辿っていくことで、売れる映画の法則性を明らかにしようとしています。

では、その過程をどのように追いかけているか。
それは、皆さんのパソコンにも入っているエクセルにお世話になっています。
下の図のような感じで映画名、公開年、月、コンテンツ1(最初のコンテンツ)・・・のように、映画を一つずつ調べ、まとめていくのです。





その際のソースは、国立国会図書館ホームページ(http://www.ndl.go.jp/)や、テレビドラマデータベース(http://www.tvdrama-db.com/) です。ここには、ドラマ・アニメ・小説・マンガといったものが集約されているので、すぐに発見できます。
この作業を何度も繰り返していき、本日ついに1990年~2009年までの邦画のデータベースが完成しました。

その際、量が膨大だったので、班員で担当を決めて、それぞれが入力を行いました。入力ミスを防ぐため、自分の担当範囲の打ち込みが終わったら他の人が打ち込み終わった範囲をもう一度調べ直すという、ダブルチェック体制を取りました。(チェック作業では、精神力が試されました。)

データベースには、原作から映画までの成り行きが描かれています。そのため、小説からドラマに、そこから映画に到達したりマンガからアニメに、そこから映画制作に至ったり、多くの流れが見て取ることができます。

けれど、定量的アプローチの醍醐味はここからです。私たちはやっとスタートラインに立てました。定量研究はエクセルにデータを打ち込むだけで終わりでなく、データと対話をしていくことに意味があるのです。つまり、私たちがまとめたデータから、どのような現象が起こっているのか、意味づけをしていく作業が重要なのです。私たちはさっそく、この作業に移ることにしました。

すると、原作を用いた映画数は年月が経つにつれて、全映画作品に占める割合が増加していることや、1990年代は、アニメや小説の原作が多くなるが、2000年代にはドラマが用いられることが多くなっていること、1998年に一気にコンテンツ変換数が多い映画が増えていることなどが、データから読み取れました。

しかし、データを重点的に見ていくと言ったのですが、忘れてならないのは、データのみに頼るのではなく、夏合宿でもOBからアドバイスを頂いたような論文や雑誌記事など、他の情報も取り入れながらやっていくことですね。なぜなら、データは確かにその時代の流行の傾向を数値で表しますが、その流行を作った人間たちはどのような働きをしていたのか、あるいはその傾向を違った見方で捉えている第三者達もいるからです。だから、映画産業に関する書籍、専門誌のインタビュー記事、学者が執筆した論文など、多くの情報を自分たちに取り入れながら、数値データを統合して研究を進めていくことがこれからは必要だと思っています。

それでは!

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