2011年10月25日火曜日

研究の方向性


おはようございます、串田です。

前回のブログで御報告したように、面白い分析結果を得ることができました。
そこで、私たちは分析結果をもとに先生へ相談に行くことに。

すると、先生からは
“4つのタイプ
1:コンテンツの変換数が多く、原作からの時間が長い
2:コンテンツの変換数が多く、原作からの時間が短い
3:コンテンツの変換数が少なく、原作からの時間が長い
4:コンテンツの変換数が少なく、原作からの時間が短い




に分けて、それぞれの売れる法則を見つけたらという貴重なアドバイスを頂くことが出来ました。相談前まではそれぞれのタイプには優劣があると思っていたため、このアドバイスは私たちにとって新鮮でした。先生とのディスカッションの中で、それぞれのタイプは何かしらの都合上選択せざるをえない可能性がある、ということに気づき、それぞれの売れる戦略を描くことは、実務者の方にもとても有益だという結論に至りました。そこで、私たちは4つのタイプそれぞれの売れる法則を見つけていくことにしました。

また“そろそろ、実務者の方にも相談して、この結果がなぜでたのか探っていく必要がある”とご助言を頂きました。確かに分析結果は出したものの、何故このような結果に至ったのかという理由は、まだわかりません。その背後にあるロジックを紡ぎださなければ、現象の本質には辿りつけない、実務者の方なら何かヒントを得られるのではないか、と先生が考えてくださり、私たちはさっそくインタビューを行うことにしました。

私たちは映画界の方にインタビュー依頼を行いつつ、自分たちでもある程度、映画の知識を持って、臨まなければインタビュー相手に熱意が伝わらないだろうと、今まで読んできたキネマ旬報の記事や書籍を、読み返したりしました。
また読み直すのか・・・という気持ちもありますが、実務者の方はプロフェッショナルです。失礼のないよう、知識を蓄え、頑張り抜きたいと思います。

それでは今日はこのへんで。
串田

2011年10月17日月曜日

分析再チャレンジ、発見か!?


こんにちは、平野です。
前回お伝えした通り、新しい分析にかけてみました!
相関関係が面白く無いなら、ほかの関係はないだろうか?ということで、「交互作用」をみるために、「二要因分散分析」という分析を行いました。
そして、その結果「数」と「映画化までの時間」に交互作用があることが判明しました!
・・・交互作用って何?分散分析って何?という疑問が浮かんだかと思います。
もちろん説明します!

「交互作用」とは、他の要因の水準によって、ある要因が従属変数に与える効果が異なることを指します。(また、従属変数とは「牛乳を飲むと、身長が伸びる」という仮説を例にとるとすると、「身長の高さ」になります。つまり、何かの要因が影響を与える結果のことを言います!ちなみに独立変数というのは、この例でいうと「牛乳を飲む量」になります!)「二要因分散分析」では数値しか出ないため、どのような交互作用が出ているかを理解するためにはグラフを書いて実際に値の変動を見てみることが必要になるのです。
(「交互作用」と「二要因分散分析」については、ハンバーガーの統計学の第7章を参照:http://kogolab.chillout.jp/elearn/hamburger/chap7/sec0.html


さて、今回私たちが交互作用を見て出た分析結果は「原作から映画化までの時間が長い場合は、コンテンツ変換数が多いほど興行収益は増加する。しかし、原作から映画化までの時間が短い場合場は、コンテンツ変換数が多いほど興行収益は減少する」というものです。

簡単に言うと、
「ただ、コンテンツ変換を繰り返せば売れるってことではない。長い時間をかけてじっくりやるのがコツ。短い時間でちゃちゃっとしても上手くいかないよ!」ということです。



・・・これは前回の結果よりも面白い結果が出ましたよ!!
なぜ面白いのか。それはメディアミックスの定説に対するアンチテーゼであるからです!メディアミックスとは、雑誌やテレビCMなど複数のメディアを組み合わせて商品を宣伝することを指します。定説では、短い時間に、多くのメディアを使って宣伝することがよしとされていました。しかし、今回の結果を見てみると、メディアミックスは、短い時間よりも、長い時間をかけて行うほうが良いと言えそうです。つまり、「定説でいわれていることと、真逆の結果が出た!」ということです。

なぜ、(定説では)最も売れるとされていた戦略が、否定されるという結果が出たのでしょうか?もしかしたら、企業にはその戦略を取らざるをえない理由があったのかもしれませんが、どうなのでしょうか・・?

分析結果も出て、研究は深みを増してきたように感じます!
今後は、交互作用の結果を元に、実際の映画製作ケースを見ながら、本質に迫っていきたいと思います!!

平野

2011年10月9日日曜日

右往左往中


お久しぶりです。
映画班の串田です。

夏合宿以降、原作から映画化までの過程に着目して、興行的に高い収益を上げる映画の特徴を描くという方針を探っていました。しかしながら、前回行った分析結果は当たり前すぎて、研究として面白くないのでは、と班でも悩んでいました。

そこで私たちは、夏合宿で映画の個別の事例を見てみたらというフィードバックを頂いたことを思い出し、そのアドバイスを生かそうということになりました。成功・失敗した映画の双方の映画に関する文献を、早稲田の中央図書館に籠って、映画専門雑誌“キネマ旬報”を読み漁ることにしました。特に、三階にあるバックナンバー書庫には過去の経営学や経済学、文学の雑誌が過去何十年分揃っていて便利なので、ぜひ利用してみてください。



図書館で読み漁ること数日、私たちは成功・失敗事例を見つけ出すことができ、それぞれを比較検討しながら、重要な要素を探しました。さらに、私たちはそれらの情報をもとに一つの仮説を立ててみました。

コンテンツが変化する中で、コンテンツの世界観を保ち、売れるコンテンツのまま映画に換えるということが大事であり、それを可能にするのはコアとなる制作者群を形成しなければいけない。

これはデータだけからは絶対に見つけられない発見でした。データばかりを使って、仮説を立てるのは現実の事例と乖離を引き起こして、何もおもしろくないものになってしまう。
個人的には大きな教訓となりました。

それからは小説・マンガ・ドラマ・アニメ・映画ごとの制作者をデータベース化作業に取り組んでいました。小説・マンガはネット上にデータが存在しないので国会図書館へ行き
小説・マンガの発行元を一冊ずつ調べていました。そして、そのデータをもとに再び分析にかけました。

しかし、ドラマを辿った映画だけしか制作者群が形成されていない。
小説に関与した人が、映画に関わっていない。
これでは、ドラマを辿った映画にしか言えないのではないか。

研究を始めて、私たちは大きな壁にぶつかりました。
そもそもこの研究の方向性が見えない・・・・

私たちは根本的な問題の浮上に対し、悩みに悩みましたが、
とりあえず一回立ち戻ってみて、データを分析にかけてみよう
ということで、、自分たちの過去の研究を振り返り、色々な分析にかけてみることに。

なかなか一筋縄ではいかない私たちの班の研究ですが、探究心を忘れず頑張りたいと思います。
それでは、また次回に!!
串田