お久しぶりです。串田です
前回の本ゼミで新たに、製作委員会(※1)に連ねる企業のネットワークを組み込むという助言を頂いたのですが、インゼミの発表は今までしていたコンテンツ変換をしっかりした形のものにして発表を行うことに決まりました。
その後、本ゼミのアドバイスを参考にネットワークのデータベースを構築する作業を行いながら、私たちは慶応大学商学部の三橋平ゼミとのインゼミの準備を進めていました。
三橋ゼミとのインゼミは毎年恒例のイベントです。三橋ゼミと井上ゼミは、主たる研究手法が対照的です。井上ゼミでは、足を使ったフィールドワークを用いて研究課題を見つけたり仮説を検証したりします。一方で三橋ゼミでは、学会で蓄積されている理論への貢献を主眼に置いて、主に数値を用いた実証研究を行っています。簡単に言うと、三橋ゼミは「定量的アプローチ」、井上ゼミは「定性的アプローチ」を用いて研究を行います。
毎年、インゼミの開催場所は交互に行われますが、今年は慶応大学の三田キャンパスでの発表になりました。
また、いつもは互いのゼミから発表班が発表し、その研究結果に対して全体でフィードバックを行うという形式でしたが、今回はお互いの研究“報告”を行い、今後の研究への“アドバイス”という形でした。
私たちはこのインゼミで研究報告をさせてもらい、その後、三橋ゼミから普段、定量研究を専門にしているゼミならではの視点から、研究内容にかんしてたくさんの指摘を頂くことができました。特に、コントロール変数にかんしてはたくさんのアドバイスを頂きました。(コントロール変数:回帰分析で、直接興味はないが、従属変数に影響を与えてしまうような、独立変数のことを指します。たとえば、「気温」が「ソフトクリームの売上」に与える影響を調べたいとします。このとき、「ソフトクリームの売上」を左右するような要因としては、他にも「美味しさ」や「価格」なども考えられますよね?この「美味しさ」や「価格」のような要因のことを、コントロール変数と呼びます。コントロール変数を、回帰モデルに入れることで、直接興味のある説明変数の純粋な影響を調べることができます。)
例えば、TVなどで特別番組を組んで映画の宣伝をしていますが、この広告効果は映画の興行収益に大きく影響します。コンテンツ変換の影響がどれくらい興行収益に影響を与えるのかを正確に、測定するためにも広告効果を数字に落として制御しなければなりません。
しかし、このような広告効果を数字に落とし込むには、特別番組の回数だったり、広告製作費だったりとデータの取得可能性がとても難しいものばかりです。
それでも、三橋ゼミの方々から
製作委員会のメンバーに在京TV局がいれば「1」と、ダミー変数をおいて広告効果を代替する変数設定の案が出てきました。彼らは、定量研究を普段から行っているのでデータが取得できなくても、代替となる値をすぐに考え付くことができるのです。このように変数の値を柔軟に代替して設定できるとことは、定量研究ではとても重要であり、今回のインゼミから学べたことです。
(※1:映画を作る際、TV局や出版社、広告代理店などが2次利用の権利を得る代わりに、出資金を与える制度)
来週は、法政大学とのインゼミがあるのですが
また新たな視座が得られるのではないかと、今からワクワクしています。
それでは
串田